2010年7月、愛知県名古屋市にオープンした「カモシヤ」は名古屋の郷土料理である味噌おでんとワインを主力商品に据えた和洋折衷のバールだ。
　オーナーの橋本雄生氏は、フランス料理店やレストランバー、ワインバーを経て独立。「この先しばらくは、低価格路線の店が主流であり続けると思い、大衆酒場のようなバールにしようと考えました」と橋本氏は語る。おでんの鍋は入口付近のカウンター横に備え付けて、コンセプトを前面に打ち出している。
　フードメニューは約40品で、主力の味噌おでんはダイコンや玉子などの定番のタネを13品、日替りの季節のタネを3〜4品用意している。日替りのおでんダネには、瑞浪産半原かぼちゃ180円などハイランドファームの有機栽培の野菜を使用し、季節感を演出している。

ソムリエが提案するワイン約80銘柄も自慢

　アルコールは、ビールや日本酒など幅広く揃えているが、アルコールの売上げの50％をワインが占めるという。
「ニューワールドの中でも特にコストパフォーマンスが高いワインを選び、そのおいしさを伝えたいと思っています」とソムリエの資格を持つ橋本氏。約80銘柄揃えるワインはカリフォルニアやオーストラリアを中心に、日本産も10銘柄用意。ボトルワインは2500円〜、グラスワイン7種は500円〜で提供する。
「会話の中でお客さまの好みを把握し、ベストなワインを提案。ワインのサーブはお客さまに任せ、気軽にワイワイ楽しめる雰囲気づくりを心がけています」（橋本氏）
　2010年の夏は猛暑に見舞われ苦戦を強いられたが、秋から冬にかけて順調に売上げを伸ばした。「今年の夏は冷たいおでんを開発して目玉にしたいと思っています」と橋本氏は抱負を語る。