ヘイメル ミヤマス(渋谷・恵比寿・代官山)
東京・渋谷の宮益坂沿いに店を構える「ヘイメルミヤマス(ミヤマス)」 は、ベルギービールとワインをアルコールの柱に据えた「ビアビストロ」だ。開業からまだ半年にもかかわらず、週末には21坪48席の客席が1日約2回転する繁盛ぶりを見せている。
経営母体の㈱プロダクトオブタイムは2001年に創業し、外食の多店化フランチャイジーとして事業を拡大。「オリジナル業態を開発すべく調査を進める中で、ベルギービールに出会いました。味のバリ工-ションや奥深さといったベルギービールの魅力を表現できれば、差別化できると考えたのです」と常務取締役の胡桃澤忍氏は語る。
同社は07年3月に東京・渋谷にべルギービール専門店の「ヘイメル」をオープン。120種類のベルギービールを取り揃えて専門性を打ち出すことで目的客を獲得し、1年ほどで経営を軌道に乗せた。その後、2店めのオリジナル業態として11年7月に開業したのがミヤマスである。
ミヤマスでは57銘柄のベルギービールを用意しているが、一番の売りは750mlの大瓶で提供するセゾンビールだ。10銘柄を2500~3600円で提供しており、卓上でボトルを抜栓し、接客スタッフが銘柄ごとに用意されたグラスにビ-ルを注ぐ。「セゾンビールはスパークリングワインのようなコルク式の栓を採用しているものが多い。ワインのようにお客さまの目の前で抜栓し、卓上でグラスに注ぐことでお客さまと会話する機会を増やしているのです」と胡桃澤氏は話す。
一方で業態の間口を広げるため、ワインも約60銘柄を取り揃える。ボトルワインの中心価格は3000円前後。ワインとベルギービールの注文比率はほぼ半々で推移している。
フランス本場の味を再現したフードで専門性を訴求
フードの売りはフランスでシャルキュトリーと呼ばれるメニュー。ハムやパテといった豚肉を中心とした肉の加工品のことで、フランスで修業した佐山直嗣氏をシェフに採用して本場の味を再現。定番メニューとして10品を提供している。たとえばミュゾー・グリッビッシュソース1000円に用いるハムは、豚の頭をまるごと塩水に約3週間漬け込み、豚のブイヨンで3時間煮込む。さらに骨などをはずし、顔の皮で頬肉と舌を巻いて冷やし固めたものだ。また、豚挽肉にべルギービールを加えた自家製麦酒ソーセージ1100円などのオリジナル料理も提供する。
フードメニューの総品目数は70品。肉や野菜の炭焼き、カルパッチョなどの魚料理、デザートなどを取り揃えている。
ミヤマスは開業から順調に売上げを伸ばしており、今後は都内でこの業態の多店化を検討する方針だ。
DATA
TEL.03−6427−7524
営業時間:17時~翌3時
無休
オープン:2011年7月
店舗規模:21坪48席
客単価:4500円
月商:-
原価率: 32%
アルコール売上げ比率: -
URL: -