兵庫・神戸のＪＲ元町駅から北へ徒歩10分、幹線道路からひと筋入った路面に店を構える「Kitchen&Bar Locaposso（以下、ロカポッソ）」。2009年11月にオープンし、昼は定食店、夜は創作料理が充実するキッチンバーとして営業しており、視認性の悪い立地ながら10坪22席で1ヵ月に800人を集客している。
　ランチ帯はパスタセット980円やカレーライス750円など約15品を揃えるが、メインのおかず、小鉢にお替り自由のライスと味噌汁が付く定食メニュー5種前後各750円が売れ筋だ。唐揚げ定食には鶏モモ肉を250ｇ使用するなど、ボリュームが売りで、ランチ帯の男女比は6対4となっている。
「男性を中心に、ボリュームのあるランチを求めるお客さまは多い。また、もともとこの物件は定食店だったので、その時のお客さまに引き続き来店していただくために定食メニューを充実させました」とオーナーの山内亨介氏は話す。

100品以上のメニューが揃う居酒屋に変身

　夜はイタリア料理をベースとした創作料理を提供するキッチンバーとして営業する。フードはパスタ約20品、ピザ7品の他、前菜や一品料理など約100品を用意。これに日替りのおすすめメニューが７〜８品加わる。中心価格帯は650〜950円で、客単価は2500円。東山市場や大安亭市場など、近隣の市場で当日仕入れた魚介を使ったカルパッチョ840円〜やあくあぱっつぁ1480円と日替りの前菜約10種を盛り合わせた前菜盛り合わせ1250円が売れ筋だ。
　また、旬の野菜や魚介類、肉類、チーズなどから好みの食材を3〜5品選び、ピザやパスタ、リゾット各980円〜をオーダーメイドで注文できるシステムも導入している。「オープン当初から行なっており、パスタの8割はオーダーメイドです」（山内氏）。
　アルコールは生ビール430円、日本酒、グラスワイン各600円など約20品を揃えるバーテンダー出身という山内氏のキャリアを生かし、リストには載っていないカクテルも100品以上（600円〜）に対応。豊富なカクテルメニューは女性客を引きつける集客のマグネットになっており、ディナー帯は来店客のおよそ9割を20代〜40代の女性客が占めている。
「いまは月商の振れ幅が大きいので、まずは売上げを高水準で安定させることが目標です」と山内氏は話す。会計の3％がポイントとして付くサービスカードを発行するなど、リピート率のさらなるアップに取り組む構えだ。「将来的には深夜営業のバー業態にもチャレンジしてみたい」と山内氏は目標を語る。