ブラッスリー ザン(東京・上野・日本橋)
店頭のロティサリーマシンで香ばしく焼いた鶏の丸焼きを看板料理にした「ブラッスリー ザン」が立地するのは東京・神田のJR神田駅前。うっかりすると見逃しそうな細い路地に店を構える。築50年の外食店を改装した店の規模は、2フロア合計で14坪。1階は10人を収容する立ち飲みスペース、2階はテーブル22席で構成し、1日最大75人を集客する。客単価は1階2800円、2階3500円。月商は550万円だ。
経営母体の㈱夢屋は「味噌坐 玉響」や「骨太フレンチビストロ アリゴ」など計7店を東京都内に展開する。ブラッスリー ザンは同社の2店めの洋食業態として2011年8月にオープンした。
コンセプトは生活感漂うパリの住宅街にある庶民的なブラッスリー。「パリっ子が店の前に止めてある車のボンネットにワインを置いて夜中まで飲んでいるような大衆的な酒場をイメージして店をつくりました」と代表取締役の小林研氏は語る。
フードはフレンチをベースにした料理を中心としているが、看板メニューとしてひな鳥のロティ(4分の1羽650円~)を打ち出すことで、敷居の高いフレンチのイメージを払拭。また、店頭にはロティサリーマシンとともにフレンチそうざいのショーケースを配置し、持ち帰り機能を付帯して「街場の店」(小林氏)らしい雰囲気を演出する。
立ち飲みと持ち帰り需要も吸収。アルコールは安くて旨い銘柄厳選
フードは定番34品、おすすめ6品に絞り込み、そのうち約半数の18品を肉料理で構成する。肉料理はどれもボリュームを売りにしており、牛ホホの赤ワイン煮1200円、男前荒挽牛のハンバーグ880円はそれぞれ150gの塊肉、200gのパティを使用。価格はメイン料理が1000円前後、その他は中心価格帯を500円台~700円台に設定して値ごろ感を意識する一方で、パテ ド カンパーニュ550円は2日以上寝かせてしっとりと仕上げている他、カスレ980円は延べ4日かけてていねいに仕込むなど、しっかりと手間をかけて品質を追求している。
アルコールの主力はニューワールドを中心としたワインで、ボトルは赤21種類、白19種類、泡2種類の計42種類、グラスは赤5種類、白3種類、泡1種類の計8種類を常備する。「国や銘柄にこだわらず、安くて旨いワインを揃えることに徹しています」と店長の吉野勇太氏は話す。
価格は立ち飲みとテーブル席で設定が異なり、ボトルは100~300円、グラスは30~50円の価格差を設けている。ボトルは総数の約7割を2500~3300円(テーブルの価格)に集約し、単品原価率40%近くを投じてお値打ちを訴求。グラスワインは420~600円(同)で提供し、商品を頻繁に入れ替えている。
同社は今後、和と洋の居酒屋の2本柱で出店を進める計画だ。年2店のペースで店数を増やし、4年で15店体制をめざしている。
DATA
TEL.03-3251-2233
営業時間:16時〜23時30分
日曜・祝日定休
オープン:2011年8月
店舗規模:約14坪22席
客単価:3150円
月商:550万円
原価率: 38%
アルコール売上げ比率: 50%
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