焼肉萬野ホルモン舗 三休橋(大阪)
大阪・南船場に店を構える「焼肉萬野ホルモン舗 三休橋」は、大阪市内で焼肉店を展開する㈱萬野屋の7号店にあたる。すべてのホルモンと牛の赤身肉をひと切れから販売する「一釻焼肉」が目玉メニューの焼肉店だ。
同社代表取締役の萬野和成氏は、祖父が1930年に創業した精肉卸業者㈱萬野総本店で牛の肥育・加工などに携わり、99年から外食事業に参入。同店は地下鉄心斎橋駅から徒歩約3分の繁華街に立地しており、主客層は35〜45歳の男女会社員が占める。11年9月のオープン以来、着実に客数を伸ばし、対前月比100%超えを継続して実現。現在は客単価4300円、20坪31席の規模で月商430万円を売上げている。
カウンター席の前には、部位の名前を記した木札をずらりと並べ、すし店のような雰囲気を醸し出している。「少しずつさまざまな部位を食べたいというニーズに対応することをめざしました」と萬野氏。同店では牛を枝肉で一頭買いしているため、稀少部位を提供することができるわけだが、それをひと切れから販売することで、その強みを効果的にお客に訴求しているのである。
グランドメニューには、ホルモン32品、焼肉7品が並び、ホルモンがフード売上げの約42%を占めている。鮮度が味と直結するホルモンは、大阪府内の南港と羽曳野の食肉市場でその日の朝にと畜したばかりの内臓肉を主に使用している。
また、5〜10月を夏時間、11月〜4月を冬時間と定め、それぞれの部位ごとに細やかな鮮度管理を徹底。たとえば、レバーであれば夏時間はと畜後72時間(冬時間では96時間)を過ぎたものは廃棄処分し、品質と安全を管理している。
その日限りの稀少部位商品で集客力アップ
一方、赤身肉に関しては黒毛和牛の処女牛のみを仕入れ、なかでも生後30ヵ月以上経過したものを中心に扱う。同社では、北は北海道・釧路から南は鹿児島まで60ヵ所以上の指定牧場・預託牧場と取引きがある。これらの牧場は、すべて萬野氏自らが足を運び、長い年月をかけてパイプを築いてきたものだ。
「飼料や環境ももちろん大切ですが、決め手となるのは飼育される方の人柄。愛情を持って牛を育成することは、肉質にも絶対に好影響を与えるのです」(萬野氏)
一頭買いした牛は、80もの部位に細かく切り分けられる。枝肉の状態から店舗で骨抜き、カットすることで、赤身も切りたての新鮮な状態で提供。「特選メニュー」として日替りで5種前後のホルモン・赤身肉が登場するが、その日限りの稀少部位もお客を惹きつける強力なフックとなっている。
一方、サイドメニューは生もん・逸品11品、ナムルやキムチといった野菜もん15品、スープ・ご飯もん19品をラインアップ。南大阪の郷土料理であるかすうどんをアレンジした油かすラーメン600円などが売れ筋アイテムだ。サイドメニューは500〜600円台がプライスポイントとなっている。
ドリンクメニューはビール、チューハイ、マッコリなど約20種を揃える。加えてビオワインのラインアップにも力を入れており、赤・白各12種をボトル3600円均一で販売。ワインは来店客約65%を占める女性客からの注文率が高く、アルコール売上げの約30%を占めている。
「オープンから間もなく半年になり、徐々に認知度が高まっているのを感じます。まずは月商600万円を目標にしていきたい」と萬野氏は話す。
DATA
TEL.06-6245-3911
営業時間:11時30分~14時30分(L.O.14時)、17時30分~翌0時(L.O.23時)
無休
オープン:2011年9月
店舗規模:20坪31席
客単価:4300円
月商:430万円
原価率: 41%
アルコール売上げ比率: 21%
URL: http://www.mannoya.com/shop/sankyubashi