kasumi store(新宿・代々木・大久保)
東京メトロ丸の内線新宿御苑前駅から徒歩2分の路地裏に店を構え、24席が連日、予約で満席になる「kasumi store」は、2011年7月にオープンしたワインバーだ。
経営母体は岩中豚を100%使用したハンバーグ専門店「ハンバーグWill」やニンニク料理専門店「はじめの一っぽ」など、東京都内で3業態4店を展開する㈲STPDファーストゲート。同社取締役の金井秀樹氏は「昨今流行りの『がぶ飲みワイン』とは一線を画し、ワイン好きのための本格的なワインバーをめざしました」と話す。
ワインは約50銘柄を2900〜2万9000円の価格帯でラインアップ。ソムリエの資格を持つ篠正人氏がマネージャーを務めており、お客の好みを聞きながらワインを選ぶこともある。しかし、kasumi storeの最大の見どころはその一風変わったワインリストにある。
「トム・クルーズが自家用ジェットで買いつけに来る(くらい愛飲している)ワイン」、「人類史上最古のワイン」というように、生産地やブドウの品種だけではなく、そのワインの持つ歴史やエピソードをあわせて紹介しているのである。
「生産地別や味わい別のワインリストを置いている店が多いので、当店では趣向を変えてつくり手の想いやワインの背景を伝えるリストにしようと考えました」(金井氏)
非日常づかいの低価格帯を狙う
フードメニューは定番25品を揃え、中心価格は800〜900円。前菜はお客の9割が注文する看板料理の塩カスレ780円、子袋と男爵のゴルゴンゾーラグラタン880円、砂肝のコンフィといった内蔵肉を用いた料理が主軸。メインは岩中豚肩ロース バルサミコソース1280円などの肉料理を中心に揃える。一方で、季節替りの黒板メニューは、魚介や野菜などを使用した一品を用意しており、全体では肉料理7割、魚介・野菜料理3割という構成だ。
前述のワインリストの効果もあってボトルワインの売上げ比率は20%にものぼり、客単価は5000円に達する。「もともと2人で来店されて、1万円でおつりが少し出るくらいを想定していました。ディナーの5000円は、日常づかいとしてはもちろん高いけれど、非日常づかいとしては気軽に通える価格帯なのです」と金井氏は狙いを語る。
スタッフ体制は常時2〜3人。また、固定費を下げるために裏路地の低家賃物件にした立地戦略も功を奏し、kasumi storeの利益率は25%におよぶ。12年4月には7年間営業した東京・神楽坂のイタリア料理店「ala」をkasumi storeに業態転換。将来的には社員に譲渡して、独立を支援していく考えだ。
DATA
TEL.03-3351-7741
営業時間:18時〜23時30分(L.O.22時30分)
無休
オープン:2011年₇月
店舗規模:18坪24席
客単価:5000円
月商:360万円
原価率: 24%
アルコール売上げ比率: 50%
URL: http://www.kasumistore.com/