堂島精肉店(大阪)
大阪随一の繁華街である北新地。競合店ひしめくその中心地に店を構える「堂島精肉店」は、名前の通り日中は精肉の小売店として営業する。しかし、夜は小売りで取り扱う黒毛和牛を中心とした肉料理を手頃な価格で提供する居酒屋として、7坪9席にして月商300万円を売り上げている。
2009年8月のオープン時は、黒毛和牛を主体に販売する精肉店としてスタート。界隈の外食店を対象に精肉やホルモンを卸売りする傍ら、コロッケやカツなどの揚げ物を販売していた。そのため店頭にフライヤーを設置して営業していたところ、この揚げ物が好評を得てテイクアウトの売上げが大きく伸びた。そこで、揚げたての商品を店先で食べたいというお客の要望に応えて、店頭に立食用のカウンターを設置。これが発展して9席を擁する現在のスタイルとなった。
「精肉店として和牛のおいしさをもっとアピールしたい」とのオーナーの東 洋一氏の想いから、核商品には黒毛和牛の肉を鉄板で焼いた黒毛和牛焼きを据え、フィレ、ロース各980円、バラ680円、モモ肉400円(各100g)など6種類をメニューに揃える。黒毛和牛焼きは鉄板で焼いてカットするだけとシンプルな調理で、調味は塩とコショウのみ。「焼くのは肉を食べてもらうためのサービス」(東氏)との考えから、いずれも精肉の販売価格と同じだ。
中でも、フィレの一部分で牛肉の中でもっとも稀少とされる部位であるシャトーブリアン1280円(100g)は、黒毛和牛焼きのオーダー率の50%を占める売れ筋商品。また、当初からテイクアウトで販売している堂島コロッケ180円(1個)は近隣への配達も行なっていて、1日最大で50~60個を売り上げる。
和牛メニューを核に7坪9席で月商300万円
他のフードメニューは500円均一で、ミンチカツ(3個)、串カツ(3本)、エビカツ(2個)など揚げ物が5種、ミックスホルモン、ウインナー(3本)、厚切りのベーコンといった鉄板焼きメニューが4種、野菜料理が8種といったラインアップ。ドリンクも生ビール、日本酒、ソフトドリンクなどを500円均一で提供。また、肉やホルモンに合わせてワインの需要が高く、フルボトルを3500円~30種ほど取り揃える。
お客の8割以上が30代~40代の男性サラリーマンだが、23時頃以降は周辺の外食店関係者も多く、1日平均30人を集客。客単価は3000円で推移する。
11年には同じく北新地にフランス料理やイタリア料理の肉料理をカジュアルなスタイルで提供する「バル堂島精肉店」を開業した。今後は2店で連動しながらさらなる集客へとつなげていくことを狙う。
DATA
TEL.06-4798-0129
営業時間:15時~翌3時(L.O.翌2時30分)
不定休
オープン:2009年8月
店舗規模:7坪9席
客単価:3000円
月商:300万円
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: -