オステリア イル・カント・デル・マッジョ(京都)
田村 崇さんは独立にあたり、イタリア・トスカーナ州の修業先と同じ名前を自店につけた。修業先とは、フィレンツェから車で1時間ほどの場所にある「イル・カント・デル・マッジョ」のこと。ここで料理の傍ら加工肉を作り、野菜を育て、自家製オリーブオイルを搾る生活を10年間にわたり送ったという。「トスカーナの風土に根差した仕事がしたかった」という田村さんにとって、願ってもいない環境だった。
「店では現代的な皿も出していましたが、オーナーの奥さんがトスカーナ料理しか口にしない人だったため、まかないはいつも昔ながらの伝統料理。パッパ・コン・ポモドーロ(パンとトマトのスープ)やソーセージと白インゲンマメの煮込みなどの家庭料理はとても勉強になりました」
京都に開いた自店では、前菜、パスタ、メインを各6種、付合せとデザートを各4種用意。そのほぼすべてをトスカーナ料理で揃えた。たとえば「パッパルデッレ 鴨のスーゴで」(1680円)は、骨ごとぶつ切りにした鴨を赤ワインとブロードで煮込んでスーゴを作り、ほぐした鴨肉を戻し入れてパッパルデッレと和えた一品。現地でも「おばあさんたちが懐かしむような古い作り方」(田村さん)だという。また、鳥取県産牛を使う「赤身肉のビステッカ」(100g945円〜)も定番の品。「外は焦げ目がつき、中は温かでジューシーという、塊で焼いた肉ならではのおいしさを知ってほしい」と、500gから注文を受けつける。
「帰国して、京都にはトスカーナ料理に応用可能な食材が多いことに驚きました。ハタケ菜にはチーマ・ディ・ラーパに似た苦みがありますし、若ゴボウはカルドンとそっくり。イメージが広がります」
今後はこうした食材の生産者との連携を深め、地元の素材を使ったトスカーナ料理を広げていくのが理想だという。
DATA
TEL.075-211-7768
営業時間:11:30〜13:30(日・祝のみ)、18:00〜22:00
木曜(祝日の場合は営業)
オープン:2011年4月
店舗規模:10坪 16席
客単価:5000円
月商:
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: http://cantodelmaggio.blog79.fc2.com