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INTERVIEW

DATA

エスアイアイ・データサービス㈱
千葉県千葉市美浜区中瀬1-8
☎043-211-1702
設立:1998年10月
資本金:7500万円
事業内容:OES・決済端末の開発・製造・販売、情報処理センターの開発・運営、保守等
http://www.siidataservice.co.jp/

 日本初のモバイル型無線クレジットカード処理システム「CREPiCO(クレピコ)」事業のために1998年に設立。このシステムはタクシーや訪問販売、宅配などで広く活用されている。2004年、親会社セイコーインスツルで1985年から展開していたオーダーエントリーシステム(OES)事業を移管した。
 同社は外食業のOES単体のクオリティを追求してきており、多くのシステムベンダーと協業できるという特徴を持つ。
 今年夏に新発売する次世代オーダリングシステム「モンステラ」はハンディターミナルの堅牢性、ネットワークの完全二重化に加え、業態に合わせて切り替え可能な2種類の入力モードなど、ユーザーの使い勝手を重視した進化を遂げている。さらに新たな分野としてOESを活用した販売促進に着目し、集客力アップに結びつけることを提案している。
オペレーションの効率化から一歩踏み込んだ経営支援として注目される。

外食産業の未来を占う 産業を支えてきたビジネスサポーターたち
オーダーエントリーシステムの先駆者として
外食ビジネスの店舗業務効率化に貢献

エスアイアイ・データサービス㈱

代表取締役社長
小林良夫

OESを活用した販売促進に注目しています
──御社はオーダーエントリーシステム(OES)のパイオニアとして、外食業の店舗作業の効率化を支援してこられました。事業をスタートしたのはいつごろですか。

 OESの事業がスタートしたのは1985年です。もともとこの事業は親会社のセイコーインスツルで行なっていたもので、2004年にエスアイアイ・データサービスに事業が移管されました。事業の歴史としては1985年から継続しています。
 外食向けの本格的なOESはそれまでありませんでしたから、われわれはこの分野での先駆者だと自負しています。OESの目的は店舗業務の効率化で、とくにホールのオーダーテイク、キッチンへの調理指示を効率化することでした。同時にオペレーションを標準化するという狙いがありました。OESを使えば、経験の浅いスタッフでもベテランと同じように動けるという発想です。

──外食業がチェーン化、多店化を行なううえで、解消しなければならない課題の一つがオペレーションの標準化でした。OESはそこに大きな力を発揮したわけですね。

 当時はファミリーレストランが店数を伸ばし、本格的なチェーン化をするタイミングでしたからね。チェーン化を支えたツール、技術の一つがOESだったと思っています。現在ではテーブルサービス業態では必須のインフラ的なシステム、技術になったのではないでしょうか。

──確かに、ファミリーレストランでOESのないオペレーションは考えられません。現在はそれ以外にもさまざまな業態で導入されています。

 居酒屋、焼肉、中国料理など、テーブルサービス業態であればどんな業種でもOESが活躍しています。それぞれの業種固有のオペレーションがあり、その要望にお応えすることで、ソフトフェアの面で進化してきました。さらに回転ずし業態での導入も進んでいますし、ファストフード店でも活用例が出てきました。

──OESに求められるものも変わってきたのでしょうか。

 店舗オペレーションの効率化という基本は変わらないと思います。
 ハードウェアについてはハンディターミナルの堅牢性はもちろんシステムが安定していて、止まらないことが強く求められてきました。
 ハンディターミナルはOESの要であり、激しい使用に耐える堅牢性がないと安心して使えません。当社は独自技術によりハンディターミナルの本体とカバー側のシートキーの無接点化を実現し、ワイヤレスでつなぐことで、開け閉めで発生する故障の発生を防ぎ、ハンディターミナルの故障率を大きく低減しました。
 またシステムの二重化により、ネットワーク障害でストップすることのないシステムを提供します。

──ハンディターミナルが故障したり、システムがダウンすることは、即店舗の営業に支障となります。その面でも進化していますね。

 ファミリーレストラン業態はオーダーから提供までの時間設定をメニューごとに明確に持っています。他の業態でもこの提供時間を守る意識は強くなっています。
 これをサポートするために、キッチン用のディスプレイに、オーダーが入ってから提供するまでの時間経過が一目でわかる表示を行ない、基準通り提供できるようにしました。さらに、このデータを分析すればどのメニューの提供時間に問題があるかがわかり改善の手助けとなります。

──すでに展開している、エスキュート、エクセレオに加えて、新商品をリリースしたとお聞きしましたが。

 モンステラという名称で、今年の夏から本格的な販売を開始します。モンステラとは蔓植物で、太い茎と長くのびる蔓、生い茂る葉が特徴です。茎にこの商品がお客さまの店舗オペレーションのプラットフォームになることを、長く伸びる蔓にさまざまな機能の拡大を、大きく茂る葉にお客さまの成長する姿をイメージして新OESをモンステラと名付けました。これまでの機器の単なる後継機ではない、新しいコンセプトのOESをめざしました。

──どんなコンセプトなんですか。

 大きな特徴は、店舗の業態や規模によってシステム構成やオーダー入力モードが簡単に選択できる機能を搭載したことです。一つはレストランなどセットメニューの多い業態に向いている「分類入力モード」です。セット名を入力したあと、それに付随する料理の種類や焼き具合などの追加情報を入力することを前提にしたものです。
 もう一つは「ダイレクト入力モード」です。居酒屋など、単品メニューの多い業態を想定したもので、注文されたメニューをいかに素早くダイレクトに入力できるかを重視しました。手書き入力や注文入力履歴表示、テーブル番号自動入力機能など、使い勝手のよさとミスをできるだけ少なくするための機能も付加しています。またデカ文字表示機能があり、使う人の立場に立って使いやすさを意識しました。ハンディターミナルの堅牢性、システム二重化などは従来の技術を生かしています。
 さらにもう一つ、新たに取り組んだのが販売促進のサポートです。

──OESによる販促というのは新しい考え方ですね。

 いままでは店舗の効率化をご提供してきたのですが、それに加えて、店舗様に、繁盛店になるための仕組みをご提供したいということ。お財布携帯で使われている非接触インタフェースNFCをモンステラのハンディターミナルに搭載しました。活用の仕方はアプリケーション次第です。たとえば会員カードをタッチすると来店情報がバックヤードに即座に表示されるとか、携帯電話を介した新規会員獲得にも使えます。また当社の展開するケータイ販促システム「しゃとるん」との連動も検討中です。従来のOESから一歩踏み込んだ経営支援になればすばらしいことだと思います。
 
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