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INTERVIEW

DATA

㈱富士通ゼネラル
神奈川県川崎市高津区末長1116
☎044-866-1111
創業:1936年1月
資本金:180億8910万円
事業内容:電子・電気機械器具の製造販売を主事業に、多角的なソリューション事業も展開
http://www.fujitsu-general.com/

 富士通㈱と資本提携し、1984年に現在の社名となった㈱富士通ゼネラル。現在は主力商品であるエアコンなどの空調機事業、情報通信ネットワーク事業、電子デバイス事業を柱として展開。情報通信ネットワーク事業のひとつとして、外食向けソリューションを提案している。86年、業界に先駆ける形で「飲食店向け販売管理システムVer1.0」をパッケージ開発。それ以降、さまざまな業態のニーズに対応しながら、アプリケーションパッケージを開発し、売上げ分析から発注管理、厨房運営、勤怠管理など、店舗・本部における外食産業のあらゆるソリューションをラインアップしている。それらのノウハウを生かし、2004年には外食産業向けシステムソリューション「食彩都」を開発。外食専用POSシステムに加えて、10年にSaaS型のサービス「クラウドシェフ」を発売。タッチパネル式のテーブル端末、ウエイティング客の自動受付け呼び出しシステムなど新サービスも開発し、さまざまな業種業態に顧客を広げている。

外食産業の未来を占う 産業を支えてきたビジネスサポーターたち
技術ソフトを活用したソリューション提案で
業態の活性化に多方面から貢献する

㈱富士通ゼネラル

情報通信ネットワーク事業部 システム部 部長
藤垣 誠

外食業界と並走して磨き上げてきたシステムをさらに深化させていく
──2004年に発売された外食企業向けシステムソリューション「食彩都(しょくさいと)」が好調です。

 食彩都は売上げ管理をはじめとする店舗および本部業務を、最新のウェブ技術でリアルタイムにバックアップする業務支援サービスです。売上げ管理、発注管理、勤怠管理、外食専用POSなどを基本機能に、タッチパネル式のセルフオーダリングシステムなど、多彩なサービスを順次開発しています。

──御社が外食企業のサポートビジネスに参入したきっかけを教えてください。

 当社は世界初の電子レジスタを開発した経緯から、外食業界にネットワークがありました。富士通㈱との資本提携後の86年、富士通が開発したPOSシステムに当社のノウハウを融合し、POSを通してPC上で売上げ管理ができる「飲食店向け販売管理システム」をパッケージ発売したのです。
 当時、POSはまだオフコンや汎用機につないで利用するのが一般的でした。まさに時代を先取りする形で当社が初めて、PCによって売上げを分析できるシステムを構築したわけです。

──かなり画期的な商品だったわけですね。当時の顧客層は?

 外食企業全般を対象としていましたが、当社ではとくに居酒屋業態を中心に、10~20店を展開していた伸び盛りの企業をターゲットに据えて売上げ管理の必要性を訴求しました。当時、自社システムを持つ大型チェーンはごく一部で、大半の企業がいわば丼勘定の状態だったわけです。お客さまにとっても、かなり革新的なシステムであったと思いますね。そして個人店や大手チェーンにも顧客層を広げていきました。

──その後の展開について教えてください。

 90年代終盤から、富士通グループとして外食企業向けのPOSの開発を当社が担うようになり、大手居酒屋チェーンなどにもどんどん顧客を増やしていきました。当初は販売管理からスタートしましたが、顧客である飲食店の「人件費を圧縮したい」という要望を受けて勤怠管理サービスをスタートするなど、新たなシステムやソリューションを提供していったのです。

──いわば現場の声をフィードバックしながらバージョンアップしてきたわけですね。

 私たち“コンピュータ屋”の考えるシステムと、飲食店の現場の声はずいぶん違うわけです。
 より利便性を考えて機能を追加しても、「パート・アルバイトが操作できる簡単なシステムでないと困る」と言われたり、叱咤激励をいただいたりしながら、商品を磨き上げていきました。まさに“育てていただいた”という言葉がぴったりで、こうしてシステムを成長させて来られたことは当社の大きな強みとなりました。

──顧客からも、かなりの反響があったのでは?

 効率化・合理化に加えて、客観的な分析によって収益アップのための一手が打てるようになったことは大きかったと思います。
 その後、当時めずらしかったメニューごとの売上げ分析を導入しましたが、「メニューを改めて見直したら、明らかに売上げが伸びた」という声は多かったですね。また、勤怠管理システムによって人件費を大幅に削減したという例もありました。

──それらのノウハウを基盤に開発されたのが食彩都だったわけですね。

 当初はパッケージ販売のみで、お客さまの自社サーバーを通してサービスを提供していました。それに加えて、昨年発売した「クラウドシェフ」は名前通り、クラウド・コンピューティングを利用したサービスで、当社の専用サーバーを利用したSaaS型のサービスです。

──クラウドシェフを開発した理由をお聞かせください。

 サービス内容を細かく分けて手軽な月額料金とし、「必要なサービスを必要な期間だけ利用できる」ことがコンセプトです。万一、短期間での業態転換といった場合も、余分なコストがかかりません。またネットワーク環境とPCさえあれば、店舗のPCに限らず、どこからでも操作することができます。さらにサーバーは富士通グループのデータセンターで保持します。PCもサーバーも自社で保有する必要がないことも、これからの時代にマッチしていると考えていますね。

──災害時などにも、非常に頼もしいですね。

 はい。今回の東日本大震災で、復旧に苦慮しておられる地元の外食企業の支援に、このシステムを何らかの形で役立てられないかという計画も練っているところです。

──現在の外食企業のニーズをどのように捉えていますか。

 やはり集客に関するご相談が非常に多く、オーバーストアの深刻化を感じています。その一助にしたいと生まれたのが、「まもなくコール」というサービスです。これは週末など繁忙時のチャンスロス対策で、満席の場合に店頭でお客さま自身が登録しておくと、順番が近づけば携帯電話に連絡が入る自動受付呼び出しシステムです。すべて自動ですから、繁忙時のスタッフの作業軽減にもつながります。

──今後も実利的なサービスを打ち出していくのですね。

 はい。ただし今後はシステムによるソリューションだけではなく、情報提供を含めたコンサルティング的な経営支援も視野に入れています。当社が蓄積してきた情報とノウハウを生かせば、たとえば業態転換のご提案など、より深く切り込んだアドバイスを行なっていくことは十分に可能です。
 多くの成功事例のデータを蓄積し、外食業界の活性化に貢献していくことが、ベンダーとしての当社の役割と捉えています。
 
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