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INTERVIEW

DATA

タニコー㈱
東京都品川区戸越1−7−20
☎03-5498-7111
創業:1946年
資本金:5億2000万円
事業内容:業務用厨房機器および関連機器の設計、製造、販売、施工、海外厨房機器の輸入販売
http://www.tanico.co.jp/

 業務用厨房機器メーカーとして、食ビジネスの成長を支えてきたタニコー㈱。同社は厨房のあらゆるニーズに対応すべく機器の開発・販売、厨房設計・施工などを行なっている。外食産業はもとより、集団給食や病院・福祉施設、宿泊施設など多彩な事業をサポートし厨房設計においては高い評価を獲得している。
 ユーザーの要望を形にするため新しい製品を開発。日本の厨房業界のスタンダードとなる機器を数多く輩出してきたところが同社の魅力のひとつでもある。1969年に開発した中華用ゆで麺器はその代表例のひとつであり、ゆで麺器の分野でスタンダードをつくりあげた。
 同社は個店から全国チェーンまで、あらゆるタイプの店舗のニーズに応える幅広い商品をラインアップするが、オーダーメイドの商品開発にもきめ細かく対応。また「無料設計相談室」を設置し、機器を含めた厨房トータルの設計でも力を発揮しており、多くの話題店の厨房を手がけている。

外食産業の未来を占う 産業を支えてきたビジネスサポーターたち
業務用厨房のスタンダードをつくり続け
繁盛店を全面的に支えてきた“革新メーカー”

タニコー㈱

代表取締役社長
谷口秀一

お店の成功をサポートすること。それが私たちの役目だと確信しています
──御社が初めて世に出した製品で、その後の業務用厨房のスタンダードとなったものは少なくありません。どのような姿勢で商品開発に取り組んでいるのでしょうか。

 お客さま要望などを真摯に受け止め、その時点でお役に立つもの、あるいは世の中にない製品を開発するというスタンスで取り組んでいます。ですから、当社が独自で開発したというより、むしろ、「こういうものがあったらいいな」というお客さまからの声やヒントをいただき、それを形にしてきました。
 われわれが開発したものは10年、20年経って世の中に受け入れられ、業務用厨房の世界では当り前の製品になっているものが多いのですが、わが社は町工場からスタートしましたから、当初は大掛かりなマーケティングを行ない、研究開発して製品をつくるということはできませんでした。さまざまなお客さまから声をいただき、「タニコーだったらこういうものをつくります」という姿勢を持って取り組むというやり方は、いまも昔も変わりません。

──業界に先駆けて提案した代表的な製品を教えてください。

 たとえば中華用ゆで麺器があります。いまではどこでも目にするものですが、かつて麺は中華鍋で茹でるのが一般的でした。当時はラーメン専門店がまだ定着しておらず、技術をもった中華料理店がラーメンを提供する時代でしたが、ある時、中華料理組合の方が当社を訪ねて来られて、「誰でも簡単に麺を茹でられる機械をつくってくれないか」とおっしゃったんです。そこで当社は1人前ずつ麺をテボに入れて茹であげるという、いまでは当り前とされるゆで麺器の仕組みを考えたわけです。これが現在一般的に見かける中華ゆで麺器のベースとなっているのです。

──この機器の開発はラーメン専門店が隆盛をきわめる原動力のひとつになったと思います。

 ステンレス製の天板のガスレンジも当社が最初に手がけたものです。かつては鋼板が一般的でしたが、錆びやすく、きれいにするには営業が終わってからひと晩かけて磨かないといけない、という声さえありました。これを厚みのあるステンレスでプレスしてつくれば、同じ機能で錆びにくいものが完成すると考えたわけです。製品化した時は、「熱で曲がってしまうから使えないのでは?」など言われましたが、周知の通り、いまではステンレスが厨房のスタンダードになっています。

──その他、御社でエポックメーキングとなった製品はありますか。

 ステンレス流し台の「TSシリーズ」という製品を1987年に発売しましたが、これが大きな流れをつくりましたね。それまでは「Kシリーズ」というピカピカに磨いた仕上げでつくっていたのを細かい線を入れたような♯4に変え、Lアングル足から丸パイプ足にしたのです。
 欧米の厨房では♯4仕上げが主流でしたが、ウエットな日本の厨房では錆びやすいと思われていたのですが、これを解決するために従来より錆びにくい新しいステンレスを採用し解決したことで創業社長はそれまでの主力だったKシリーズをやめて、TSシリーズに全面的に切り替えました。

──主力商品の素材を全面的に変えるというのは、非常に大きな決断だったと思いますが……。

 おっしゃる通りです。既存のものを売るほうが楽ですからね。しかし創業社長には「お客さまに役に立つものをつくりたい」という信念がありました。だからこそ決断できたのだと思います。使い勝手のよさが認められ、TSシリーズはおかげさまで人気となり、当社の成長に大きく寄与しました。♯4仕上げも厨房機器の仕上げのスタンダードになりました。その意味では、お客さまのために製品を開発し提案することが、結局は自分たちのためになるということですね。
 今年はすべてのガスフライヤーを「涼厨」にしました。エネルギーに関しては、今後注目される分野ですが、作業環境の改善を考えるとこれからは涼厨になるだろうと考えたわけです。

──決断力は御社の企業文化だと思います。現在の製品数を伺えますか。

 通常販売規格品で約3100品あります。ですが、私どもの営業はカタログを見せて、「これを買ってください」というのではなく、お客さまがどういう商売をしたいのかを理解し、それに最適なものを提案することが仕事です。実は自社でつくっている製品の出荷数のうち、6割ぐらいは最初から1点しかつくらない製品なんです。お客さまに要望をお聞きして、オーダーメイドする場合もあるし、カスタマイズの場合もあります。これは当社の強みであると自負できます。
 外食業の最大の目的は「お客さまに喜んでもらい、店が繁盛すること」。もちろん予算があるから設備は高いよりは安いほうがいいですし、高機能なほうが機器としては優れているかもしれません。しかし、結局はその機器が自分の店を繁盛させるのに役立つかどうかが大事なのです。そういう意味では、お客さまの成功をサポートすることが私たちの役目だと常に考えています。

──外食業のこれからの可能性についてはどうお考えですか。

 将来の人口減などを考えれば、外食産業全体はこれから難しい時期に入るのかも知れません。しかし、一方ではこの業界は若い経営者やシェフたちが新しいアイデアをもって、どんどん参入してきています。これは心強いし、楽しい。その意味では可能性は限りなく広がっていくと信じています。
 個人店であっても、チェーン店であっても、繁盛し成功するという目標は外食人の最大の目的。当社はこれからもお客さまの成功に貢献する企業をめざして厨房開発に取り組んでいきます。
 
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