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日本の伝統食品

阿波番茶
(徳島県・勝浦郡上勝町)

四国の山里に伝わる、ほのかに酸っぱい農家自家製の乳酸発酵茶

 最初はなんか違うぞと思う。お茶なのに、ほのかに酸っぱくて、独特の香りがある。飲みつけると、あと口涼しくちょっとクセになる。
 阿波番茶は、徳島の山里、上勝町に代々伝わる農家の自家製茶である。
「番茶」と呼ばれるが、いわゆる摘み残りの葉で作る番茶とはわけが違う。
 5月の新芽は摘まない。7月中旬に充分に成長した葉を摘む。それも年1回しか摘まない、一番茶だ。
 摘む時期が遅いことから、「晩茶」といったものらしい。
 山野に自生する山茶を育てた茶畑には、農薬も化学肥料もまかない。刈り込むこともしない。ぼさぼさと野放図に育った枝から、茶葉を一枚残らずしごき取る。茶摘み後の茶畑は丸坊主だ。 緑濃い茶葉をゆで、木桶に半月間漬け込んで乳酸発酵させる。お茶でありながら、お腹にやさしい乳酸飲料。
 古式発酵茶が、四国の山間地にひっそりと生き続けている。

◎お問い合わせ:神田茶組合
◎住所:徳島県勝浦郡上勝町大字旭
◎TEL:0885-46-0147

Text:Yukie Mutsuda Photo:Hiroshi Ohashi

7月中旬に、よく成長した山茶の葉を摘んで大釜でゆでて殺青し、葉の酸化酵素の働きを止める。茶の煮汁は漬け込みの必需品。常に煮汁を足して漬け込む。

美しい棚田の風景が広がる徳島・上勝町の集落は、どこに行くにも急坂が続く。山の斜面にある茶畑から、天秤棒で摘んだ茶葉をかつぎ上げる。

 

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