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日本の伝統食品

大徳寺納豆
(京都府・北区)

一休和尚が伝えた、500年前の製法そのままに作る禅寺の伝統食

 不揃いの黒っぽい粒つぶは、ちっとも旨そうには見えない。
 とっつきはよくないが、その香りに誘われてついつまんでみたくなる。
 しっかり塩辛い。が、やがてコクのある旨みと甘みが、じんわり口中に広がる。白いごはんが欲しくなるこの味わいは、どこか親しく懐かしい。
 茶人にも喜ばれ、今も茶会の茶菓子に使われる。緑茶や抹茶とも相性がよさそうだ。
 大陸渡来の納豆の製法を、京都紫野の禅寺、大徳寺に伝えたのは、室町時代の禅僧、一休宗純であったという。
 梅雨明けから納豆作りにとりかかり、炎天下にじりじりとひと月半。日に何度となく櫂(かい)を入れて、かき回し続けると、あぶり出しのように香りが立ちのぼり、味わい深い納豆に仕上がる。
「作って食べるのも日々是修行」
 酷暑の京都で500年もの間、修行の一つとして手から手へと受け継がれてきた、禅寺の質実の滋味である。

◎お問い合わせ:大徳寺納豆本家 磯田
◎住所:京都市北区紫野下門前町41
◎TEL:075-491-7617

Text:Yukie Mutsuda Photo:Hiroshi Ohashi

豆麹と塩水を混ぜ、日々ひたすら櫂で回し込む。夏の光と空気をたっぷり吸って、徐々に納豆に仕上がっていく。

酒の肴やお茶請けにも喜ばれる大徳寺納豆。もちろんお粥との相性は最高。熱々のお粥に数粒落とせば塩気もほどよく、夏バテをふっとばす。

 

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