Follow us!

Facebook Twitter

KNOWLEDGE

検索ページに戻る

日本の伝統食品

苦うるか
(熊本県・人吉)

落ち鮎の腸で作る、苦くかぐわしい千年来の美味

 こんなに苦いもの、喜ぶ人の気が知れない、という人も多いけれど。
「こん苦かとが、よか」
 熊本県人吉、川辺川の老漁師は、胸を張る。
 うっとりする苦みである。その裏に甘み??。甘さの裏に苦み、旨みが幾重にも重なり合って、焼酎を呼ぶ。
 苦うるかの苦みは、笑顔で迎えてくれるわけではない。とっつきにくいだけに、いったんその味の深さに目覚めると、忘れられなくなる。
 室町時代の京都の公家も楽しみにしていたものか、日記に〈鮎のすしとうるかの桶が届いた〉と記している。さらに古く奈良平安の貴族たちも、この苦みに目を細めていたかもしれない。
 暴れ川球磨川と清流川辺川が合流する人吉は、球磨焼酎とアユで知られた町。ついさっきまで泳いでいた清流のアユの腸だけが、旨いうるかになる。こればかりは、漁師のお手製にかなうものはない。

◎お問い合わせ:人吉水産商事(株)
◎住所:熊本県人吉市鍛治屋町63
◎TEL:0966-22-2371

Text:Yukie Mutsuda Photo:Hiroshi Ohashi

落ち鮎の内臓に15%の塩をして、2ヵ月間おく。その日に揚がったアユの内臓を足しながら、毎日かき混ぜて熟成させる。

落ち鮎の刺し網漁は、日没から夜明けまでの夜漁。現在、球磨川水系最大の支流である川辺川にはダム建設計画があり、清流が危ぶまれている。

 

食の便利図鑑

日本の伝統食品を調べる
外食用語集
調理用語集
外食産業50年史