アナゴはウナギ目アナゴ科に属し、マアナゴ、ギンアナゴ、ハナアナゴ、クロアナゴ、深海に棲むオキアナゴやコンゴウアナゴなどが含まれる。

しかし、一般にアナゴといえば、味がよく水揚げ量も多いマアナゴを指し、それ以外の種はほとんど市場に出回らずに加工用になる。

アナゴは細長い円筒形で、腹ビレがなく、背、尾、尻の各ヒレが途切れることなく１つにつながっている。ウロコは微小でほとんど退化し、表面が強い粘液でおおわれている。

マアナゴの場合、側線に白い斑点がエラ蓋の手前から尾の近くまである。体色は同じ海域で獲れたものでも、黒、灰、褐色とかなり個体差がある。ギンアナゴはシロアナゴともいい、灰褐色で、ヒレの縁が黒い。ハナアナゴは目と後頭部に太い褐色帯がある。クロアナゴは全体に黒っぽい色をしていて、白い斑点がない。

マアナゴ（以下アナゴ）は北海道以南に棲む。泥地と砂場のある海底が適している。産卵場や孵化直後の細かい生態は、不明な点が多い。