調理用語集
豆腐・豆富
【トウフ】
豆腐は、大豆の中の熱水可溶性成分(豆乳)にたんぱく質凝固剤を加え、栄養成分をたんぱく質と一緒に凝固させたものである。
一見単純だが、その出来ばえは、豆乳の抽出の仕方や凝固剤の種類と量、凝固剤の加え方や豆乳の温度など、さまざまな条件によって微妙に影響される。また、豆腐の成分の85%以上は水であるため、水質も大きく影響する。
「腐」の字をあてるのは、中国語で、この字に柔らかいという意味があるからと解釈されている。
伝来時期は奈良時代や平安時代末などの諸説がある。ちなみに、中国での発祥についても定説はなく、紀元前2世紀に淮南王・劉安が発明したと伝えられるが、真偽のほどは不明である。
当初は僧侶、次いで武士階層に普及したとされるが、一般庶民の食べ物として商品の形で流通したのは江戸時代。天明2年(1782年)には有名な『豆腐百珍』が刊行され、翌年には続編も出ている。