調理用語集
湯葉
【ユハ,ユバ】
ユバは豆乳を加熱した時にできる表面の皮膜を引き上げたもので、豆腐とともに大豆のたんぱく質を固めた代表的な加工食品である。「うば」「東寺」ともいう。
ユバも豆腐と同様に中国から伝来したものと考えられるが、その年代は明らかではない。中世以降、禅宗をはじめとする寺院を中心に精進料理の素材として重宝され、それがしだいに庶民に広がっていったとされる。江戸時代にはすでに、巻きユバなどの加工湯葉も売られていた。
ユバの製造が最も盛んだったのは明治中期から昭和初期にかけてで、戦前には全国で300を超える業者があったが、大半は戦時中に廃業してしまっている。
戦後、京都や奈良の寺院参詣の観光客を通じて再び広まり、いまでは精進料理はもとより、京料理や懐石料理に欠かせない素材になっている。
代表的な産地は京都、大阪、滋賀、栃木。京都で「湯葉」と書くのに対して、日光では「湯波」と書く。中国では豆腐皮、豆腐衣などと呼ぶ。