Follow us!

Facebook Twitter
TOP > 特集・連載一覧 > 外食支援企業13社が語る 業界へのメッセージ、これからの貢献

月刊食堂60周年特別企画 外食支援企業13社が語る 業界へのメッセージ、これからの貢献

株式会社西原商会

鹿児島県鹿児島市与次郎一丁目10番21号
☎0120-039-400
https://www.nishihara-shokai.co.jp
[設立]1971年12月
[資本金]5000万円/p>

株式会社西原商会
代表取締役社長
西原一将

外食ならではのおいしさを追求し
産業の発展に貢献したい

 当社は1971年に創業し、今年の12月に50周年を迎えます。鹿児島県で珍味屋として産声を上げ、旅館やホテル、料亭などに珍味を納品したのが始まりです。創業当初は、一般消費者には出回らないような高級食材のみを扱っておりましたが、お客さまのご要望に応えることでアイテム数が増え、お取引の幅が広がりエリアも拡大していまのような形になりました。現在はトラック約1000台を稼働して、1000人を超える営業兼ドライバーが各エリアを担当しております。まだまだ全国すべてのエリアをカバーできるまでには至っておりませんが、外食産業の発展とともに成長することができました。外食産業の皆さまに対しては、ビジネスパートナーというよりも、会社を育てて頂いたという想いが強いです。これまで育てて頂いた皆さまに心より感謝申し上げます。
 当社では創業時から変わることなく、営業と配送を一緒に実施しております。したがって、各担当が毎日お客さまと顔を合わせます。「本日の宴会メニューをどうするか」というところまでご要望をお受けしながら日々活動しています。商品ラインアップについても「こんなのがあれば便利だよね」というお客さまの声にお応えできる商品を探して取り扱います。常にお客さまの声に耳を傾け、いかに貢献していくかを考えて実行すること、これが私どもの強みにもなります。その際に単に量を追求するのではなく、個々のお客さまへの貢献を第一に考えるということを大切にしております。
 自社製品についても同様に量だけを追求して開発をするつもりはありません。それよりも、「ニッチな商品だけどあると便利なんだよね」というような、限られた方に必要とされる商品や希少価値の高い商品といった、他社にはない我々にしか扱えない商品を開発することを大切にしています。売れ筋を見てということよりも特徴的な味やおいしさ、これまで見たことのない商品というものにトライしようという想いが強いです。価格だけでしか勝負できないどこにでもある商品ではなく、他にはない、よりクオリティの高い商品をお安くお届けしていきたいと考えております。

外食業界の皆さまに最後まで寄り添うという立場を維持する

 コロナショックはいうまでもなく、外食産業および宿泊産業が最も影響を受け、いまも外食産業は非常に厳しい環境にあります。外食産業とお取引をしている他の業者も売上げの減少に伴って、配送費の削減や人件費の削減などダウンサイジングすることを余儀なくされております。しかしながら我々は、孤軍奮闘されている外食店の皆さまに最後まで寄り添い守っていくという立場を可能な限り維持していきたいと思っています。配送の頻度にしても人員体制にしてもこれまで通り実施していくことを一番念頭において、配送頻度が減ることで必要なものが必要な時に届かないということがないよう努めていきます。最近では、「毎日来るのは西原商会さんだけだよ」と言っていただくことも多くなり、ご相談頂く機会は以前より確実に増えました。
 外食産業の皆さまのパートナーとして仕事をするなかで、外食はどうあるべきかということについて考えるのですが、「あえて食べに行く場所」ということだと思います。つまり中食などのように家庭でいつでも食べられるものではなく、外食店に足を運ばないと食べることができないものをご提供いただき、消費者の方に外食を楽しんでいただくこと。これが外食にとって重要なのではないでしょうか。私は人が幸せを感じることへの貢献として外食の役割は非常に大きいと思っています。外食店の皆さまによりおいしいものをご提供していただけるように、おいしい食材をできるだけ探してお届けしていくことで貢献をし、「やっぱり家で食べるよりもおいしいね」「幸せを感じるよね」と言っていただくためのお手伝いを一生懸命させていただきたいと思っております。
 今後も外食はなくならないですし、逆により一層、おいしいお店に足を運び外食を楽しもうという人が増えるのではないでしょうか。私たちはそれを信じて皆さまと共に頑張って参ります。

日本洗浄機株式会社

東京都大田区鵜の木2丁目43-14
☎03-3750-4451
https://www.n-sen.com
[設立]1969年5月
[資本金]5000万円

日本洗浄機株式会社
代表取締役社長
中川幹夫

飲食業界の生産性向上を
省エネ技術を通して実現していく

 当社は1969年創業で、現在も主力製品である「食器洗浄機サニジェット」の開発・販売からビジネスを開始いたしました。当時は、64年の東京五輪、70年の大阪万博と大きなイベントが続いた時代で、日本の外食産業の本格的な勃興期であり、マクドナルドやすかいらーくなどのチェーン店の登場も大きな話題となりました。こうした業種業態の多様化や多店化などのご要望にお応えするため、新製品の開発に努めてまいりました。クレンリネスに関する日本人の意識が高まり、食器洗浄機の導入が進んだ時期というチャンスにも恵まれたと考えます。
 当社にとって大きな成長の契機となったのは、牛丼の𠮷野家さんに「サニジェット」をご採用いただいたことでしょう。欧米型の食器洗浄機は平らな皿を前提とした設計なので、丼ぶりを伏せて置くと内側が洗いきれません。この問題を解消するため、丼ぶりの下からの噴射を強化して洗浄力を向上し、数社のコンペを勝ち抜いて、当社の製品が選ばれました。店舗のレベルアップには食器衛生も重要な要素という観点から、ご評価をいただけたのだと思います。現在でも𠮷野家さんのほぼ全店舗で「サニジェット」をご利用いただいており、牛丼3大チェーンの食器洗浄機シェアは約9割となりました。
 こうした経緯から、さまざまなタイプのチェーンレストランからのお問い合わせをいただけるようになり、製品ラインアップも増えていきましたが、チェーン店のご要望は非常に厳しく、食器洗浄の性能や使い勝手のよさはもとより、24時間営業に対応できる耐久性も要求されます。こうしたご要望にひとつひとつお応えすることで、パートナーシップを築きあげることができたと感じます。また、そのために自社技術を磨き続けてきた結果、日経MJ「第44回日本の飲食業調査売上高ランキング」のトップ50社中40社が当社の製品をご利用されているという成果を上げることもできました。
 もちろん個人経営の飲食店も、小さな町工場としてスタートした当社にとって大切なお客さまです。チェーン向け製品でも個人店向け製品でも、開発から生産・出荷までの全工程を東京・大田区の自社工場で行い、1台1台、社員が責任を持って製品をつくり上げてお届けし、メンテナンス体制も整えております。
 成熟技術製品にみえる食器洗浄機ですが、当社では日々研究を重ねて新技術を製品に反映させており、強力な洗浄力を持つ「4ローター洗浄システム」をはじめ、独自のノウハウを満載して進化を続けています。食器洗浄機の更新や新規導入の際には、ぜひお問い合わせください。

人手不足を補う製品で外食産業に貢献していく

 コロナ前の外食業界は深刻な人手不足状態が続いておりました。ワクチン接種の完了後、飲食店に客足が戻った際には同じ状況の再来が予想されます。「自動調理機サニクック」は、省人化・省エネ・熟練技術不要という特徴から、幅広い業種でご好評をいただいているシリーズです。ゆで麺機の「無沸騰噴流方式」は当社が特許を持つ独自技術で、一般的なゆで麺機のように100°Cで湯を沸騰させず、96℃または98°Cの熱水噴流を起こしながら麺をゆでます。当社の検証ではガス・電気代が半減できるという結果が出ており、コスト削減とともに、湯気上がりが非常に少ないので、調理場環境も改善ができます。近年、品質が向上している冷凍麺とはとくに相性がよく、180gの冷凍パスタ4玉が25秒でゆであがります。冷凍麺投入時に一時的に湯温が下がっても、噴流によって急速に麺をほぐすことができますので、素早く、よい状態でのご提供が可能です。冷凍うどんでもほぼ同様で、サイズがコンパクトで場所を取らないので、回転ずしのうどんメニューなどにもお使いいただいております。
 当社の機器開発においては、省力化、省エネ、節水など、外食産業の生産性向上という目標を、外食業界の皆さまと常に共有しております。当社がご提供している製品分野は限られていますが、これからも外食業界の発展のため、ご信頼いただけるパートナーとして貢献していきたいと思います。

UCCコーヒープロフェッショナル
株式会社

東京都港区新橋6丁目1番11号
https://www.ucccoffeeprofessional.co.jp
[設立]1978年8月
[資本金]1億円

UCCコーヒープロフェッショナル株式会社
販売企画本部 常務取締役
橋本樹一郎

製品から店舗運営のご相談まで
総合力のあるパートナーに

 UCCコーヒープロフェッショナル㈱は、UCCグループの業務用事業の核として、約10万店の飲食店とのお取引を行っています。その約半数はカフェ・喫茶店ですが、和洋中のレストランやホテルなど、納入先は幅広く、商品もコーヒー、食材、資材などを合わせ、約7万点を超えるアイテムをご用意しております。シンプルな業態のカフェ・喫茶店でも仕入先が20以上になることがあります。こうした日常業務をワンストップで効率化し、余裕の出た時間を、店舗力を高めるためのクリエイティブなアイデアづくりに使っていただきたいというのが、当社の方針です。商品ではコーヒーが主力ですが、その他のソフトドリンク、スイーツ、カレーやパスタなどのフードのご発注も伸びており、飲食店の皆さまから、コーヒー以外でもパートナーシップを結べる企業というご評価をいただいていると感じます。

蓄積したデータを活かし店舗運営を支援

 商品提供とともに、当社の主要業務となっているのが、店舗運営支援です。UCCグループは1933年の創業以来、直営・商品卸販売・消費者向け商品などを通じ、コーヒー関連のビジネスでノウハウを積み重ねてまいりました。現在も約700名の営業担当が各種飲食店の現場に足を運び、オーナーや店長の声をお聞きしております。ニーズや課題にその場でお応えすることはもちろん、全国主要都市に店舗運営改善に対応する担当部署を設け、ご提案を行っております。ご相談内容はさまざまですが、例えば「朝とランチは順調だが、アフターランチ以降の売上げが伸びない」「アルバイト主体の運営で提供商品の品質にバラツキがある」といった課題のご相談などです。
 当社は全社的にお客さま対応の情報を共有しておりますので、全国のさまざまな業種業態の成功事例はもちろん、「現状でうまくいかず、どうしたらいいか」というご相談事例もデータベースとして保有しています。飲食店の皆さまとパートナーシップを結ぶうえで、膨大なデータを元に「失敗の確率を下げるためのサポートをする」というのも当社が責任を持って望むべき業務であると考えています。デジタル対応もそのひとつです。当社のお取引先は、業種業態が多様なため、デジタル化にもかなりの開きがあります。例えば、電話やFAX発注をWEBに変えるだけでも業務効率化が図れ、ミスやトラブルも減ります。
 また、消費者への情報発信でも、HPに最新情報が載っていない、SNS対策がないという店舗も少なくありません。デジタル化が急速に進んだ現代では、「お客さまを困らせない」ためのデジタル対応は必須です。こうした営業改善もお客さま視点を持って私たちがアドバイスをできればと思います。
 コーヒーをより深く知っていただくため、UCCグループでは2007年に「コーヒーアカデミー」を開設しました。消費者が気軽に学べるコースから、プロがあらためて専門知識を学び直すコースまで、さまざまなレベルのレクチャー受講や実技、テイスティングができます。これまでは、神戸と東京の教室においでいただく必要があるため、受講したいが出張時間が取れないというお声もうかがっていました。このため、コーヒーアカデミーによるオンラインセミナーを開始し、今後も幅広いテーマで飲食店の皆さまに商品や経営の最新情報をお届けいたします。
 現在販売中の製品では、日本の軟水に合わせ、繊細なフレーバーや口当たりを実現した、ハイエンドの「LARGO」、石窯ピザやパンに相性のいい「石釜珈琲」といった製品を、ぜひテイスティングしていただきたいと思います。スタンダードからハイグレードの飲料・食品だけではなく、紙ストローなどSDGs関連の資材の調達も可能です。レジ横に置けるワンドリップコーヒーや、テイクアウトのリピートにつながるデザイン性の高いトレーなど、売上アップに貢献する商品も数多く揃えております。コロナ禍の厳しい状況のなか、飲食業の経営継続のため、いわゆる「納入業者」としてではなく、総合力あるパートナーとしてお付き合いいただけるよう、企業努力を続けてまいります。