キリンビール株式会社
東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス
☎03-6837-7002
https://www.kirin.co.jp
[設立]2007年7月
[資本金]300億円
代表取締役社長
布施孝之氏
飲食店の気持ちに寄り添い
業界課題の解決に貢献していく
いま外食業界はコロナ禍という未曾有の危機に直面し、多くの飲食店さまが厳しい経営を余儀なくされています。昨年の緊急事態宣言後、飲食店の方々が必死の思いで営業してきたという声を聞いています。業務用市場が大変な状況になり胸を痛めています。外食は多くの雇用を生み出す裾野の広い産業であり、社会的な意義もきわめて大きいです。外食は日本の食文化であり、その灯を消さないためにも、当社はこれまで以上に業界に寄り添い、発展につながる提案をしていきたいと考えています。
これまで当社は、ドリンクの提案だけでなく、飲食店さまの盛業に向けたご提案を通して、外食業界の発展に貢献することをめざしてきました。
ドリンク提案の柱はおいしい生ビールをお客さまにお届けすることで、そのために飲食店さまと二人三脚で取り組んできました。さらに、総合酒類を通じて提案の幅を広げ、楽しい外食シーンを提供しながらマーケット活性化のための取り組みを進めてきました。
近年は、飲食店さまの課題に寄り添う商品を展開しています。1台のビールサーバーで複数のクラフトビールをお楽しみいただける「タップ・マルシェ」は、その名の通り「Marché(市場)」がコンセプト。個性豊かで多彩なクラフトビールに、多くのお客さまが出会い、気軽に楽しんでいただく「場」を提供するものです。
ビールの銘柄は当社商品だけでなく、日本各地のクラフトブルワリーの商品も選択可能です。この取り組みの狙いは、クラフトビール市場を活性化させるとともに、日本の新たなビール文化を創造することです。おかげさまで「タップ・マルシェ」は大好評をいただき、2019年の「外食アワード」を受賞させていただくことができました。
クラフトビールの新商品「SPRINGVALLEY 豊潤〈496〉」は、缶の発売に先行して21年3月から「タップ・マルシェ」で提供を開始しました。おいしさを追い求めて造ったクラフトビールであり、実際に飲んだお客さまからは味覚への高い評価をいただいています。缶との相乗効果もあり、お取扱いいただいている飲食店さまが拡大しています。「SPRING VALLEY 豊潤〈496〉」をきっかけに、お客さまにクラフトビールの楽しさ美味しさを体感いただき、ビールカテゴリーの活性化を図ることで業界の貢献につなげていきます。
CSVマインドで業界に貢献する
21年から本格展開をスタートした小型生ビールサーバー「TAPPY」は、課題解決に加えて新しい価値創造をめざした取り組みです。お客さまによりおいしい生ビールを提供するとともに、3ℓペットボトルという小型容器を新たに採用することで、オペレーションの負担軽減やフードロス削減を実現しました。それを通して、お客さま・飲食店さま・酒販店さまといったあらゆるステークホルダーにとって有益になることを目論んでいます。こうしたCSV(creating shared value= 共通価値の創造)の考え方を基本にした取り組みを今後も継続していきます。実際に導入された飲食店さまからは、「生ビールがおいしくなった」、「サーバー洗浄の手間が減った」など好評いただいており、導入店舗が広がっています。
外食市場は、これまでビールを育てていただいた重要な市場であり、これからも貢献したいという想いを常に持っています。コロナ禍で自由に外食ができない状況になり、特に酒類の提供が大きく制限され続けています。しかし、多くのお客さまにとって、飲食店でお酒を飲むことがかけがえのない楽しみであることは決して変わることはありません。
そこで求められているのは、家庭では体験できない楽しさであり、それが外食ならではの価値だと考えます。今後も、飲食店にお客さまをひきつける魅力を提案していくことで、外食市場の活性化に貢献していきます。
大切なのは、飲食店でしか体験できない高品質な味わいを提供することと、お酒を楽しめる雰囲気を醸成していくこと。これからもCSVマインドを持ちながら、外食業界の皆さまと二人三脚で課題解決に取り組み、業界全体で利益を享受できるようなパートナーシップを築いていきたいと考えています。
鈴茂器工株式会社
東京都練馬区豊玉北2-23-2
☎03-3993-1371
https://www.suzumo.co.jp
[設立]1961年1月
[資本金]11億5441万円
取締役専務執行役員
谷口 徹氏
高性能な米飯ロボットを活用した
食のトータルソリューションを提案
鈴茂器工㈱は1981年、世界に先駆けて量産型寿司ロボットを開発いたしました。これは、「寿司を、いつでも、どこでも、安く、美味しく、楽しく食べられることを可能にする加工機械をつくり出したい」という、創業者鈴木喜作の想いがあったからです。効率化や省力化といった面が強調されがちな寿司ロボットですが、原点である「寿司食文化の大衆化」という創業の精神を忘れず、新しいビジネス分野を開拓していきたいと思います。当社としては、もちろん熟練職人の方の技術を尊敬しております。その伝統技術の一方で、寿司ロボットによりすし業界への参入が容易になって、事業者が増え、すしマーケット全体の拡大に貢献をしてまいりました。
40年間、ビジネスパートナーとともに寿司ロボットのノウハウを積み重ねてきました。ユーザーの皆さまがご要望されるクオリティで、速く正確にシャリ玉を制作することができる寿司ロボットのご提案には自信を持っております。しかし、常に現場ユーザーの皆さまのご意見をうかがいながら、製品開発を続けていくのがメーカーの使命です。当社のめざしている目標は、米飯加工品の食味を向上させ、その結果、お店の集客力を増し、繁盛店を増やすこと。寿司ロボットによる店舗運営の効率化、コスパの良さによる集客力アップ、人件費の適正化などを組み合わせてご提案し、飲食業界の活性化をサポートしていきたいと考えています。
寿司ロボットに次いで当社が開発を強化しているのが、ご飯盛り付け機の最新ロボット「Fuwarica(ふわりか)」です。これは、ごはん茶碗や丼ぶりに事前設定したグラム数のごはんを、パネルをタッチするだけでふんわりと盛るためのロボットです。セルフサービスでも調理場でも、保温ジャーからシャモジで盛る方法に比べ、はるかに衛生的で分量も正確、また盛り手によるバラツキがなくふっくら美味しいため、お客さまの満足感も高まります。
フードロス削減にも大きな効果
コロナ禍でセルフサービスが今後どのような展開を見せるかは予測が困難ですが、すでにドリンクバーが一般化している以上、ごはんのセルフ化も受け入れていただけるのではないでしょうか。ごはん品質を最優先される業種の老舗うなぎ店にもご採用いただき、「ごはんが固まらないので柔らかいうなぎとの相性がよく、タレの染み込みもいい」といったご評価をいただきました。炊き上げたごはんをできるだけ練らず、米粒を切らないという寿司ロボットの技術を活かした製品です。
また、SDGsという点からもお役に立てると思います。セルフならお客さまの好みで食べたい分量を選べるので、フードロスが大きく減ります。約180名が勤務する当社工場の社食でこのFuwaricaを試験導入したところ、年間で約1トンのごはん量の削減につながりました。ごはんの消費量は個人で大きな差が出ます。盛り付けられたごはんのおいしさに加え、個々に適切な分量を盛ることで、健康やフードロスに感心の高い消費者の満足度を高めます。さらに、オペレーションの効率化により削減できたコストを主菜やサイドメニューの充実に回せば、確実に集客力アップにつながるでしょう。
外食産業はコロナ禍でなかなか先が見えない状況ですが、世界的に見て米食事業のビジネスチャンスはますます伸びていくと考えています。典型的には海外における寿司をはじめとする日本的米飯食の普及です。当社の売上げでも約25%が海外市場で、ロール機を中心にお取引先が増えています。すし業態を中心に日本の外食産業の海外進出も加速しています。
当社としては、国内・海外市場を問わず、単にロボットを売ればいいという立場ではなく、トータルなソリューションをご提案できるパートナーとして、ご評価いただけることを目標としています。近年、「フードテック」というテクノロジーと飲食の融合が話題になっております。アナログ産業と見られがちな外食業にも、新たな可能性が広がっています。当社も寿司ロボットのパイオニアであり、外食産業に従事する皆さまのパートナーとして、連携企業とともにさまざまな技術をご提案していきたいと思います。
サントリースピリッツ株式会社
東京都港区台場2-3-3
☎03-5579-1000(代表)
https://www.suntory.co.jp/company/group/beam_sun.html#anc_03
[設立]2015年1月
[資本金]150億円
RTD・LS事業部
事業開発部 課長
酒巻真琴氏
国産ジン“翠(SUI)”で飲食業界に貢献し
あらたな文化を創造したい
私たちサントリーは「日本の外食は世界に冠たる日本の文化だ」と考えています。日本人ならではの“おもてなしの心”を感じることができ、大切な人と語り合い、みんなで笑いあえる場所でもあります。人々の心に潤いを与えてくれて、人と人の「つながり」を感じることができる大切な文化です。当社は創業以来、飲食店さまと一緒に日本の飲酒文化を創造してきました。
1950年代に日本全国にできたトリスバーは、日本の洋酒時代を切り開く原動力となりました。2008年には居酒屋を中心とした角ハイボールのご愛顧をきっかけに、長年縮小していたウイスキー市場復活につながりました。また当社は絶えず、飲食店さまと一緒に、お客さまが飲まれる際の飲用時品質向上に取り組んできました。そして現在、当社が飲食店さまとともに、「ハイボール」「レモンサワー」に続く第3のソーダ割りとして大事に、そして大きく育てていきたいのが「ジンソーダ」であり、その基幹商品であるジャパニーズジン「翠(SUI)」です。
ここ10年ほど世界的にはジン市場が着実に伸びており、国内においてもジンが注目されはじめています。国内の酒類市場のトレンドが酒類全体で前年割れのなか、ジンは122%と酒類カテゴリーのなかで一番の伸びを示しています。この国内ジン市場の拡大を牽引しているのが、20年3月に発売した「翠(SUI)」です。これまで日本では多くの人が「ジンはバーでカクテルとして飲むもの」「身近ではないお酒」というイメージを持っていました。それに対し、「居酒屋メシ」に合うジンソーダとして「翠(SUI)」のソーダ割をご提案したことで、多くの方に楽しんでいただけるようになりました。これまで国内ジン市場は、輸入ジンが多数を占めていましたが、「翠(SUI)」の発売、ヒットにより、21年1-5月期にはジンにおける国産ジンの構成比が輸入ジンを抜かして半数を超えました。また、当社は国産ジンのラインアップとして、「翠(SUI)」だけでなく、日本の四季が生んだ六種の和素材(桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子)を使用したジャパニーズクラフトジン「六(ROKU)」も多くの飲食店さまにお取扱いいただいています。「六(ROKU)」は国内だけでなく世界50か国以上で販売しており、日本のものづくりや国産ジンの魅力を世界に伝えています。
お客さまへの新しいお酒の価値提案 “翠ジンソーダ”が好調
20年3月に発売した「翠(SUI)」は、日本の食卓になじみ深い柚子、緑茶、生姜の3種類の和素材を使用した爽やかな飲み口が特徴です。じつは当社のジンに対する取り組みは、1936年に国産初のジン「ヘルメスドライジン」発売にはじまり、80年以上の歴史を持っています。蓄積された蒸溜技術、原料酒のつくりわけ、ブレンド技術など当社独自の知見を多く持っていると自負しています。その知見を活かした商品が「翠(SUI)」なのです。
私たちはこの「翠(SUI)」をソーダで割った「翠ジンソーダ」をご提案しています。ソーダ割にすることで、爽やかな柚子の香りがぱっと広がり、味わうと緑茶のうまみが、そして後味は生姜のピリッとした辛みでスッキリとした印象になり、どんな料理にもよく合います。とくに焼鳥や唐揚げ、餃子など居酒屋の定番料理と相性が良く、お店の方も「本当においしい」と味を気に入ってくださり、「居酒屋メシに翠ジンソーダ」というキーワードで積極的にお客さまにおすすめいただいています。また「翠1に対してソーダ4で割るだけ」というシンプルなオペレーションもご支持いただき、今年6月までに3万店の飲食店さまにお取扱いいただいています。販売計画もおかげさまで前年の約2.6倍にあたる25万ケース(1ケース8.4リットル換算)に上方修正させていただきました。「翠(SUI)」は、ソーダで割って食事と一緒に気軽に楽しめるお酒をめざし、TVCMの投入などさまざまなプロモーションを実施していきます。「翠(SUI)」によって飲食業界全体の繫栄に貢献できるよう、これからも尽力してまいりたいと考えております。また、飲食店さまと一緒に「ジンソーダ」文化を創造できればと願っています。